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ふすま・建具の歴史とは

ふすま・建具の歴史とは

2022/09/02

日本では多くのモノ・コトが中国や他方から伝播してきたとされていますが、ふすまは日本独自の文化の1つです。

そこで今回は、ふすま・建具の歴史から、メリットや取り入れる際の注意点についてご紹介します。

リフォームや室内に合ったデザインのふすま・建具を探している方は、歴史を紐解きながら参考にしていただけると幸いです。

ふすま・建具の歴史とは

ふすまは襖と書き、木材で骨組みし、紙・布を両面に貼り付け、引き手を取り付けた建具を指します。

平安時代の寝殿造では、部屋は仕切られておらず、襖といえば掛け布団を用いていました。

また、仕切り間として屏風や暖簾を用いており、これらの建具を総称して「障子」と呼んでいたようです。

その後、木の骨組みに唐紙を貼り付けた唐紙障子は、中国が唐の時代に日本へ伝えたとされています。

そこからさらに、防寒対策として絹を貼り付けたふすまが登場しましたが、一般家庭に浸透することはなく、貴族たちが使用していたものでした。

室町時代になると、無地の布や紙を貼り付けたものを「襖」、紋や柄をつけたものを「唐紙」と区別されていたようです。

また、現在のような引き違いで使うことが浸透し、部屋を仕切る建具として確立します。

実際、平安時代末から室町・鎌倉時代の絵巻物には、引き違いになっている様子が描かれています。

さらに、上級武家・寺院の僧侶の屋敷では、畳を全体に敷き詰めた書院造の原型が作られており、襖には大和絵などの紋様が描かれていたようです。

江戸時代になると3種類の襖がありました。

唐紙障子(からかみしょうじ) 唐紙・無地の色紙を貼り付けたもの
襖障子(ふすましょうじ) 鳥の子紙を貼り付け、金箔や極彩色で描かれたもの
明障子(あかりしょうじ) 光が透ける白紙を貼り付けたもの

現代における障子は、「明障子」がもとになっています。

江戸時代初期では、権力の象徴として部屋の構成・装飾にこだわり、その中に襖も含まれていました。

虎・松・鳳凰などの、武家を象徴するような動植物を襖に描くことで、一族の発展や権力としていたようです。

江戸時代後期になると襖は大衆化され、多くの人々の住まいにも取り入れられるようになりました。

明治時代に欧化政策によって建築様式が変わり、洋室・和室を分けるために襖を使うという認識が浸透していったのです。

そこから現在では、紙を何重にも貼り付けるあるいは布を貼り付けた建具を「襖」と呼び、薄紙を貼り付けた建具を「障子」と呼ぶようになりました。


ふすま・建具の成功事例

現代において、建具は4種類に分けられます。

開き戸 片側の前後に開く
引き戸 横にスライドして開く
折れ戸 扉の中が縦に折れて開く
吊り下げ戸 吊り下げ式の引き戸

この中でも、ふすまは引き戸に分類され、さまざまなリノベーションを起こしています。

例えば、襖にガラスをはめ込むなどです。

ガラスをはめ込むことで洋室との境目がなくなり、現代の住居に違和感なく馴染むような襖に変わります。

また、襖を全面ガラス張りにすると、空間が広く感じるようになるため、インテリアとして取り入れられている事例も少なくありません。

和室本来の美しさを保ちたいのであれば、襖本来の材質は変えず、唐紙障子のように柄や模様を装飾するだけでも室内の雰囲気は変わります。


ふすま・建具のメリット

ふすま・建具のメリットについて見ていきましょう。

・部屋の間仕切りになる

・防寒や風通しをよくできる

・保温・調湿機能がある

・和室としての空間を演出できる

・インテリアとして活用できる

・取り外しやすいので部屋のスペース調整がしやすい


ふすまは、部屋と部屋の間仕切りに使われるというメリット以外にも、さまざまな効果があります。

特に、機能面のメリットで見ると、ふすまに使用されている材質によって保温・調湿ができるため、カビやダニ予防にもなるでしょう。

歴史から見ても古くから多湿環境だった日本においては、理にかなった建具だといえます。

また、和風でモダンな印象を与えるのがふすまですが、近年では洋室のインテリアに取り入れられているケースも珍しくありません。

実際に、ふすまをインテリアに合わせて青色や真っ白に変えて、アンティーク風やカフェ風にリメイクしているお部屋もあります。

ふすまは和室だけに留まらず、多くのシーンで活用できる点も魅力といえるでしょう。


ふすま・建具を取り入れる際の注意すべきポイント

ふすま・建具を取り入れる際に注意すべきポイントをいくつかご紹介します。

ふすまを取り入れたいと考えている方は、ぜひ理解しておいてください。

ふすまには種類がある

歴史から見るとふすまは種類がないように感じますが、現代において使用素材(下地)に種類があります。

種類 特徴
本ふすま (組子襖) 古くから使用されている歴史あるふすま。細い木枠に和紙を何重にも貼り付ける。複雑な技術なだけに価格が高く量産不可。
チップボールふすま 木製の芯材とボール紙で作られたふすま。軽さが特徴的で量産が可能。
発泡プラスチックふすま 発泡スチロールと段ボールで作られたふすま。強度が低く反りやすいが価格が安い。
段ボールふすま 芯材に段ボールを使用して作られたふすま。最近の住居で多く利用されており、軽量かつコストが安い。
板ふすま 組子の上にベニヤを貼って作られたふすま。重量があり頑丈。和室・洋室の間に建てられることが多い
単板ふすま 木枠の中に組子を作り、薄板を貼って作られたふすま。張り替えやすいのが特徴。

ふすまのデザインや風合いにこだわりたいなら、本ふすまを選ぶのがいいでしょう。

それ以外のふすまは価格が安く量産が可能なので、インテリアや住居環境に合わせて専門の業者と相談するといいかもしれません。


お手入れをする必要がある

ふすまは畳と同じで日頃のお手入れが必要になります。

例えば、ふすまの敷居は若干の凹みがあり、ホコリなどの汚れがたまるので、定期的に掃除機やホウキで掃除をしなくてはいけません。

また、ふすま自体湿気に弱く、水拭きなどで濡らしてしまうと傷みやすくなるので注意が必要です。

場合によってはシミや斑点ができてしまい、デザインを損ねてしまいます。

ご自身で汚れを取る場合は、白くて柔らかい消しゴムで優しくこすって落としましょう。


ふすまの寿命を知っておく

温度・湿度や紫外線によって変わりますが、ふすまの寿命はおよそ10年前後です。

長い間保つとはいえ、その間に汚れや傷みによって風合いが変わってくる可能性もあるでしょう。

できるだけ長持ちさせられるよう、湿気を発散させるよう換気や除湿を心がけておきましょう。

また、できるだけ日光に当て続けないのも日焼けを抑えるポイントなので覚えておいてください。


まとめ

今回はふすま・建具の歴史についてご紹介しました。

ふすまは平安時代から現代に至るまで使われている長い歴史を持つ建具です。

和室の雰囲気を演出するだけでなく、現代においては洋室で取り入れられる方法もあり、用途は多彩になっています。

ぜひ、ふすまについて理解して、正しい使い方でインテリアを映えさせてみてください。

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